障がいの垣根を越えて「こころの対話」があたたかなつながりをつくる

現役社会人として、働きながら「灯(ともしび)の里」を立ち上げ、地域共生拠点・あすパークで「障がい者と家族の憩いのサロン」を定期的に開催されている中島玄さんにお話を伺いました。
Q1.CS神戸との出会いや、活動を始めようと思ったきっかけは何ですか?
以前より地域活動をされている団体として知っていました。2024年の秋から冬にかけて、CS神戸主催の講座に参加して、皆さんとお知り合いになりました。
活動を始めようと思ったきっかけは、実姉が重度の身体障がい者で、幼い頃より多くの障がい者ご本人やそのご家族の姿を見、気持ちを感じてきました。障がい者の家族やきょうだいにはスポットが当たりにくいのですが、障がい者とともに色々な思いを抱えながら生活しています。私もそうでした。それらをオープンに打ち明け、お話し合うことで、家族やきょうだい、そしてご本人も何かホッとした気持ちになれたらいいな、ポジティブな気持ちになれたらいいなと思っています。そんなことを思っている時にCS神戸より声をかけていただきました。いいご縁をいただいたと思っています。
Q2.実際に活動してどうでしたか?
ささやかですが、参加の皆さんにとってホッとするお互いに気づきのある場になっているようで、やってみてよかったと思っています。「障がい者とそのご家族」としましたが、障がい者の家族としての関わりはなくともテーマに関心のある皆さんにも参加いただいています。そうすると、思わぬお互いの心の化学反応が起こるんです。関わりのない皆さんも、それまでなかなか言えなかった心の内をお話いただくようになりました。障がいの垣根を越えて、自然にお互いを理解し合う場が生まれるんです。人が人を理解し、人と人がつながるとはこういうことなんだと私自身に大きな気づきがありました。元々は障がいを語るという種子から生まれていますが、障がいであることが光となって人の心を柔らかく優しくしてくれる、障がい者やそのご家族が社会に与える影響は決して小さくない。そして、軽々には言えませんが、それも障がい者やそのご家族が精一杯生きてこられたからこその証なのだと思います。

Q3.これから活動を始められる方へメッセージをお願いします
現在の行政面でのフォーマルな福祉施策は、障がいの形態が多様化、複雑化する中で、これまでの縦割りの単純な施策では立ち行かなくなっています。それに対する行政面の対応は遅く、血も通いにくい。その間にも、施策の狭間からこぼれた方々が悲哀をなめることになります。どこか公的な機関に委ねがちな我が国の社会風潮の中で、いつまでも行政施策をあてにするのでなく、その施策も活用しつつ時に改善を促し、市民ひとりひとりができるところから立ち上がり狭間を埋めるインフォーマルな活動が、次の社会の礎になると思います。「できるところから少しずつ」、臆することなく、みんながしたら大きな力になると思います。将来のみんなの幸せのために力となっていきたいですね。

団体名称
灯の里
氏名
中島 玄
活動内容
あすパークにて障がい者やその家族が語り合う活動 「障がい者と家族の憩いのサロン」
設立
2025年3月22日
その他
Email:genaka618@gmail.com


